勝つための競馬ノート|回収率を上げる思考の記録と分析術

あなたは、競馬の収支を改善するために「競馬ノート」の重要性を感じ、具体的なつけ方を探しているのではないでしょうか。しかし、ただ馬券の結果を記録するだけのノートでは、長期的な成長には繋がりません。本当に価値のあるノートとは、最終的な目標である回収率の向上を常に意識し、一つひとつのレースにおける敗因分析や勝因分析を可能にするものです。そのためには、購入時のオッズや自分自身の予想印はもちろん、投票に至った論理的な根拠、さらにはその時の感情まで記録することが求められます。このような「思考のプロセス」を記録し、客観的に振り返る習慣こそが、あなたの弱点を明らかにし、馬券の精度を高める唯一の道です。この記事では、エクセルや便利なアプリの活用法も交えながら、あなたを常勝へと導く、行動競馬学に基づいた戦略的なノート術の全てを解説します。

  • なぜ競馬にノートが不可欠なのか、その本質的な理由
  • 回収率を上げるために記録すべき具体的な項目
  • 記録を基に自分の思考のクセを発見し、改善する方法
  • ノート作成を効率化するための実践的なツール
目次

なぜ競馬ノートが上達に繋がるのか?

  • 勝ち組が実践する競馬ノートのつけ方
  • 最重要指標である回収率の管理
  • 記録すべき購入時のオッズ
  • 他者の意見に惑わされない予想印
  • 最も重要な記録は投票の根拠

勝ち組が実践する競馬ノートのつけ方

競馬で勝ち続けている、いわゆる「勝ち組」と呼ばれる人々は、例外なく何らかの形で自身の投票を記録・分析しています。彼らが実践している競馬ノートつけ方の核心は、単なる収支の記録に留まらない点にあります。それは、「自身の思考プロセスを客観的に見つめ直すための、分析ツール」としてノートを活用することです。

多くの負けているファンは、レースが終わると結果に一喜一憂し、そのレースのことはすぐに忘れて次のレースへと向かいます。これでは、同じ失敗を何度も繰り返してしまいます。一方で、勝ち組は、一つひとつの投票を「検証すべきサンプル」として捉え、そこから学びを得ようとします。

つまり、価値ある競馬ノートとは、「何を買ったか(What)」だけでなく、「なぜそれを買ったのか(Why)」、そして「その結果どうだったのか(Result)」「結果から何を学んだか(Learn)」という一連の流れを記録するものです。この習慣が、あなたの馬券戦略を、再現性のない「点」から、改善可能な「線」へと変えてくれるのです。

最重要指標である回収率の管理

競馬ノートをつける最大の目的、それは「回収率」を継続的に管理し、向上させることです。前回の記事でも触れた通り、回収率はあなたの競馬における総合的な成績を示す唯一無二の指標です。

ノートに日々の収支を記録していくことで、現在の自分の戦略がプラスに作用しているのか、それともマイナスに陥っているのかを、一目で把握できるようになります。特に、エクセルなどを用いて回収率の推移をグラフ化することは、非常に有効な手段です。

回収率の記録例

日付 投資合計 払戻合計 日次回収率 累計回収率
7/19 5,000円 8,000円 160% 160.0%
7/20 8,000円 4,000円 50% 92.3%

このようにデータを蓄積し、グラフなどで可視化することで、短期的な勝ち負けに惑わされず、長期的な視点で自分の実力を冷静に評価できます。もし、回収率が長期的に下降線を辿っているのであれば、それは運のせいではなく、あなたの戦略そのものに何らかの問題があるという明確なサインなのです。

記録すべき購入時のオッズ

競馬ノートに記録すべき具体的な項目として、レース名や馬名、投資金額と払戻金額は当然ですが、それと同じくらい重要なのが「購入時点でのオッズ」です。オッズは締め切りまで常に変動するため、あとから振り返っても、自分がどのオッズで投票したのかを正確に思い出すことは困難です。

なぜ購入時のオッズが重要なのでしょうか。それは、あなたの投票が「期待値」の高いものだったかどうかを検証するための、決定的な証拠となるからです。

例えば、ある馬の単勝を10倍のオッズで買ったとします。しかし、締め切り直前には5倍まで下がっていました。この場合、あなたの判断は「大衆よりも早く、その馬の価値に気づいていた」ということになり、予想の根拠は正しかったと評価できます。たとえそのレースが外れたとしても、このような投票を続けることが、長期的な勝利に繋がるのです。

逆に、あなたが買った後にオッズがどんどん上がっていった(人気が下がっていった)場合は、自分の評価と市場の評価にズレがあったことを示唆します。このように、購入オッズを記録することで、自分の判断が正しかったのか、あるいは大衆心理に流されていたのかを、客観的に振り返ることが可能になります。

他者の意見に惑わされない予想印

行動競馬学の観点から、競馬ノートにぜひ取り入れていただきたいのが「自分だけの予想印」を、新聞や他者の予想を見る前に記録しておくことです。これは、あなたの「一次判断」が、外部情報によってどれだけ影響を受けているかを分析するために行います。

多くの人は、まず自分なりにレースを検討した後、答え合わせのように競馬新聞や専門家の予想を見ます。そして、「自分が本命だと思っていた馬に、専門家も◎を付けているから安心だ」「逆に、自分が狙っていた馬が無印なので、自信がなくなってしまった」といった形で、最終的な判断を揺さぶられてしまいます。

このプロセスでは、最終的にあなたの馬券が「自分の純粋な予想」なのか、「他者の意見に影響された結果」なのかが曖昧になってしまいます。これでは、レース後の正しい敗因分析や勝因分析はできません。

そこで、まずは外部情報を一切遮断した状態で、自分なりの予想印(◎、○、▲、△など)と、その序列をノートに記録します。その後、新聞などを見て、自分の初期評価と世間の評価がどう違ったのかを比較するのです。この習慣により、他者の意見に惑わされない、一貫した自分の「判断の軸」を確立する訓練ができます。

最も重要な記録は投票の根拠

競馬ノートに記録すべき数々の項目の中で、もし一つだけ選べと言われたら、迷わずこれを挙げるでしょう。それは、「なぜ、その馬券を買ったのか?」という投票の根拠を、あなた自身の言葉で言語化して残すことです。結果(収支)だけの記録は、ただの数字の羅列に過ぎません。それは航路の記録がない航海日誌のようなもので、なぜ成功したのか、なぜ遭難したのかを未来の自分が知ることはできません。

あなたの馬券力を真に高め、長期的な回収率を向上させるためには、結果に至った「思考のプロセス」の記録が不可欠なのです。このプロセスを記録することは、あなたの頭の中にある漠然とした思考を、客観的に分析・改善可能な「データ」へと変換する、極めて重要な作業と言えます。

思考の「再現性」と「改善可能性」を担保する

なぜ、投票の根拠を記録することがそれほどまでに重要なのでしょうか。その理由は、思考の「再現性」と「改善可能性」を担保するためです。

  • 再現性: もし、あるレースで素晴らしい分析から高配当を的中させたとします。しかし、その分析の根拠を記録していなければ、その勝利は「偶然の産物」となり、次のレースで同じような成功を再現することは困難です。明確な根拠を書き残すことで、あなたの「勝ちパターン」を体系化し、再現可能なスキルへと昇華させることができます。
  • 改善可能性: 人は、自分の欠点を客観的に認識しない限り、それを改善することはできません。投票の根拠を言語化することで、自分の思考のどこに弱点があったのか、どの部分が感情的な判断だったのかを、後から冷静に分析できます。これが、同じ過ちを繰り返さないための、何よりの処方箋となるのです。

投票の根拠を構造化する3つのステップ

「根拠を具体的に書く」と言っても、最初は戸惑うかもしれません。そこで、行動競馬学では、根拠を以下の3つのステップで構造化して記録することをおすすめします。これにより、分析の精度が格段に向上します。

【投票根拠の3ステップ記録法】

  1. 定量的評価(データに基づく客観的根拠):
    スピード指数、過去のレースのラップタイム、血統やコースの適性データなど、数値化できる客観的な情報を基にした評価を記述します。「この馬の過去3走の上がり3ハロンはメンバー中1位」といった具体的なデータを書き出します。
  2. 定性的評価(データ以外の主観的根拠):
    調教の動き、パドックでの気配、騎手の乗り替わりの意図、レース展開の予測など、数値化は難しいものの、あなたの経験と分析に基づいた評価を記述します。「前走は明らかに展開不向き。今回は流れが向くと判断」といった、あなた独自の解釈がここに含まれます。
  3. 期待値の最終判断:
    上記の定量的・定性的評価を統合し、「だから、この馬の本来の勝率は〇%程度あり、現在のオッズ〇倍は期待値が高い(または低い)」という最終結論を記述します。これにより、全ての分析が期待値という一つの物差しに集約されます。

「良い根拠」と「危険な根拠」の具体例

この3ステップ法を基に、「良い根拠」と、自覚せぬうちに陥りがちな「危険な根拠」を比較してみましょう。その差は一目瞭然です。

分析項目良い根拠(論理的)危険な根拠(感情的・非論理的)
定量的評価「過去の同コース成績は(2-1-0-0)。持ち時計も上位」「最近ずっと負けてるから、そろそろ順番のはずだ」(ギャンブラーの誤謬)
定性的評価「前走は出遅れが響いただけで、内容は悪くない。叩き2戦目で状態の上積みが見込める」「この騎手とは相性が良い気がする。前回も当てさせてもらった」(アファメーション・バイアス)
期待値判断「これらの要素から勝率は25%と判断。単勝5倍のオッズは期待値1.25となり、買う価値がある」「今日の負けを取り返したい。この馬で一発逆転を狙う」(損失回避性)

いかがでしょうか。危険な根拠のほとんどが、私たちが以前の回で学んだ「認知バイアス」に基づいていることが分かります。自分の投票根拠を書き出すことは、これらの認知バイアスに自身が囚われていないかをチェックする、セルフカウンセリングのような効果も持つのです。

結果だけを追うギャンブルから脱却し、思考のプロセスを磨き上げる知的なゲームへ。そのための最も強力な武器が、「投票の根拠」を記録し続ける、この地道な習慣なのです。

競馬ノートで思考を分析し改善する方法

  • 投票時の感情を記録する意味
  • 次に繋げるための敗因分析
  • 偶然か実力かを見極める勝因分析
  • エクセルやアプリの活用法
  • まとめ:勝つための競馬ノート活用術

投票時の感情を記録する意味

投票の「根拠」という論理的な側面を記録すると同時に、ぜひ記録していただきたいのが、投票した瞬間の「感情」という、非常に主観的な側面です。行動競馬学では、非合理的な判断の多くが、人間の感情の揺れ動きによって引き起こされると考えます。

自分の感情を記録することは、どのような精神状態の時に、自分が間違った判断をしやすいのか、そのパターンを発見するための重要な手がかりとなります。

記録すべき「感情」のチェックリスト

  • 精神状態: 冷静 / 焦り / 興奮 / 疲労 / 自信過剰
  • 投票動機: 純粋な期待値判断 / 損失を取り返したい / 大きく勝ちたい / 的中を楽しみたい
  • 迷いの有無: 確信があった / ギリギリまで迷った / 他の馬と悩んだ末に決めた

例えば、「連敗して焦っている時には、無謀な穴馬に手を出しがちだ」「大きなレースで的中した直後は、自信過剰になって賭け金が大きくなる」といった、自分特有の「負けパターン」が見えてくるかもしれません。自分の感情のクセを自覚し、それをコントロールしようと意識することが、非合理的な投票を防ぐための第一歩です。

次に繋げるための敗因分析

ノートに記録したデータは、分析してこそ価値が生まれます。レースが終わり、結果が確定したら、必ず「敗因分析」を行う習慣をつけましょう。なぜ、あなたの予想は外れたのでしょうか。その原因を突き詰めることで、同じ過ちを繰り返すことを防ぎます。

ここで重要なのは、「運が悪かった」「馬が弱かった」といった単純な言葉で片付けないことです。敗因をより深く、構造的に分析する必要があります。

敗因分析のフレームワーク

分析項目 具体的な問い
予想のプロセス 投票の根拠は正しかったか?見落としていたデータはなかったか?
レース展開 予想と違う展開になったか?(ペース、馬場状態、不利など)
期待値判断 そもそも期待値の高い馬券を選べていたか?オッズは適正だったか?
感情の介入 感情的な理由で、本来買うべきでない馬券を買っていなかったか?

この敗因分析は、いわば「無料の学習機会」です。外れた馬券は、あなたの弱点を教えてくれる貴重な教材に他なりません。このプロセスを面倒がらずに続けることが、着実なスキルアップに繋がります。

偶然か実力かを見極める勝因分析

敗因分析と同じくらい、いや、それ以上に重要なのが「勝因分析」です。多くの人は、馬券が当たると「自分の予想が完璧だった」と喜び、それで分析を終えてしまいがちです。しかし、そこには大きな落とし穴があります。

なぜなら、的中の中には、「論理的な根拠が正しかったことによる、実力での勝利」と、「理由は分からないが、たまたま当たっただけの、偶然による勝利」の2種類が存在するからです。もし、後者の「偶然の勝利」に味を占め、同じ方法を繰り返してしまうと、長期的には必ずマイナス収支に陥ります。

勝った時こそ、私たちは冷静にならなければなりません。「なぜ、この馬券は当たったのだろうか?」と自問し、その要因を客観的に分析するのです。

あなたの立てた「投票の根拠」通りにレースが進み、想定通りの勝ち方をしたのであれば、それはあなたの実力です。しかし、「本命馬は来なかったが、抑えで買った人気薄が偶然激走した」というようなケースは、単なる幸運に過ぎません。その幸運を実力と勘違いしないこと。勝因を厳しく分析する姿勢こそが、あなたを真の勝ち組へと導きます。

エクセルやアプリの活用法

ここまで解説してきた競馬ノートですが、全てを手書きで行うのは大変な作業です。そこで、エクセル競馬ノート専門のアプリといったツールを活用することで、記録と分析を大幅に効率化できます。

各ツールのメリット・デメリット

  • 手書きノート:
    • メリット: 自由に書ける。記憶に定着しやすい。
    • デメリット: 集計や分析が大変。持ち運びが不便。
  • エクセル(またはスプレッドシート):
    • メリット: 項目を自由にカスタマイズできる。自動計算やグラフ化で分析が容易。
    • デメリット: スマートフォンでの入力が少し面倒。基本的な関数の知識が必要。
  • 専用アプリ:
    • メリット: スマートフォンで手軽に入力できる。収支管理機能が充実しているものが多い。
    • デメリット: カスタマイズ性が低い。サービスが終了するリスクがある。

おすすめは、まずはエクセル(Googleスプレッドシートなら無料で利用可能)で自分だけのノートを作成してみることです。項目には、これまで紹介した「レース情報」「購入情報」「予想の根拠」「感情」「レース後の分析」などを盛り込みましょう。自動で回収率が計算されるように設定しておけば、モチベーションの維持にも繋がります。

まとめ:勝つための競馬ノート活用術

  • 競馬ノートは単なる収支記録ではなく自己分析ツールである
  • 勝ち組はノートで自身の思考プロセスを客観視している
  • つけ方の核心はなぜその馬券を買ったのかという根拠の記録
  • 最重要指標である回収率の推移を管理し可視化する
  • 購入時のオッズを記録し期待値判断が正しかったか検証する
  • 他者の意見に惑わされぬよう自分だけの予想印を先に記録
  • 投票の根拠を言語化することが思考の可視化に繋がる
  • 投票時の感情を記録し非合理的な判断パターンを自覚する
  • 敗因分析を徹底し同じ過ちを繰り返さないようにする
  • 勝因分析を行い偶然の勝利を実力と勘違いしないことが重要
  • ノート作成にはエクセルや専用アプリの活用が効率的
  • まずはエクセルで自分だけの分析フォーマットを作るのがおすすめ
  • ノートの目的は記録ではなく分析と改善にある
  • 思考のクセを修正することが回収率向上への唯一の道
  • 今日から思考の記録を始め合理的な投資家を目指す
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