地方の競馬重賞に関する格付けやクラス分けの仕組みを徹底解説

こんにちは。『行動競馬学』の管理人、Rです。

いつも当ブログに足を運んでいただき、本当にありがとうございます。

普段、中央競馬を楽しんでいる方がいざ地方のレースを見てみると、見慣れないアルファベットや数字の羅列に戸惑ってしまうこと、よくありますよね。

地方競馬の重賞におけるランクや仕組みをわかりやすく知りたいという声は、私の周りでも非常によく耳にします。

関東や関西でのルールの違いはどうなっているのか、あるいは国際的なリステッド競走の意味合いはどう解釈すべきなのか、そして日々のレースを構成するクラス分けはどう決まっているのか。

こうした疑問を抱えたまま馬券を買うのは、地図を持たずに見知らぬ街を歩くようなもので、少し不安を感じてしまうかもしれません。

でも、安心してください。

この独自のシステムは、一度その全体像と法則を掴んでしまえば、驚くほどシステマチックで面白い世界を見せてくれます。

この記事では、皆さんが抱えるそんなモヤモヤをスッキリと解消し、より深く競馬を楽しめるような土台作りのお手伝いをさせていただきます。

  • ダートグレード競走と日本独自ルールの明確な違い
  • 全国の各地区で独自に発展してきたローカルグレードの全貌
  • 複雑に見えるクラス分けや番組賞金・ポイント制度の仕組み
  • 格付けやクラスごとの傾向を最大限に活かした馬券予想のコツ
目次

基礎から学ぶ地方の競馬重賞に関する格付け体系

まずは、地方競馬の頂点を形作る「重賞レース」の構造から一緒に見ていきましょう。中央競馬(JRA)とは異なり、全国各地の主催者が独自に発展させてきた地方競馬には、全国共通のビッグレースと、その地域ならではのローカルレースが複雑に絡み合っています。ここでは、その階層構造を一つひとつ丁寧に紐解いていきますよ。

ダートグレード競走のランクと仕組み

地方競馬の最高峰を語る上で、絶対に外せないのが「ダートグレード競走」という存在です。

これは簡単に言うと、全国各地の地方競馬場を舞台にして、JRA(中央競馬)の強豪馬と地方競馬のトップホースたちが、所属の垣根を完全に越えて激突する指定交流重賞のことを指します。スポーツで例えるなら、各地を勝ち抜いた強豪が集結する「全国大会」のような熱い舞台だと思っていただければ分かりやすいかなと思います。

普段は別々の環境で走っている馬たちが、同じダートコースで真の日本一を決める。このダートグレード競走に出走し、そして勝利を収めることこそが、日本のすべてのダート馬と陣営にとって最高の栄誉となっているんです。

厳格に管理される3段階のピラミッド構造

これらのレースは、各地方競馬の主催者が独自に「これはG1級です!」と名乗っているわけではありません。

実は、「日本グレード格付管理委員会」という第三者の専門機関が存在し、レースの賞金水準や、過去に出走した馬たちのレーティング(能力水準の数値化)などを元にして、極めて客観的かつ厳格に格付けが行われています。

ランク(1〜3)の基本的な位置づけ

1格(G1・Jpn1):世代や古馬の頂点を決める、文字通り国内最高峰のレース。
2格(G2・Jpn2):1格に向けた最重要な前哨戦や、距離・条件別のチャンピオン決定戦。
3格(G3・Jpn3):ダートグレード競走への登竜門。上がり馬や各路線のスペシャリストが集う激戦区。

このように、下から上へと這い上がっていく明確なピラミッド構造が作られているおかげで、私たちファンは「この馬は今、日本のダート界全体の中でどの位置(ランク)にいるのか」をすごく把握しやすくなっているんですよ。

なぜ出馬表で「G」と「Jpn」の表記が混在しているのか?

さて、ここからが競馬を始めたばかりの人が最初につまずきやすいポイントです。

出馬表や競馬新聞を熱心に眺めていると、同じダートのビッグレースなのに「G1・G2・G3」と表記されているレースと、「Jpn1・Jpn2・Jpn3」と表記されているレースが入り混じっていることに気づくかと思います。

「えっ、JpnってGよりも格下なの?」「1着賞金が安いのかな?」と、最初は本当に混乱してしまいますよね。

でも、安心してください。実はこれ、レースに出走している馬の実力差や、レース自体の価値・賞金の高さを表しているわけではないんです。

根本的な違いは、日本国内のローカルルールではなく、「国際統括機関が定める厳格な国際規格に適合しているかどうか」という、制度上の分類にあります。一体どういうことなのか、次の項目でその境界線と裏側をさらに深掘りして解説していきますね。

国際規格Gと日本独自Jpnの違い

先ほど触れた「G」と「Jpn」の違いについて、もう少し詳しくお話ししますね。

まず「G(グループ/グレード)」表記ですが、これは国際競馬統括機関連盟(IFHA)が承認するアジアパターン委員会(APC)などの国際機関から、正式にお墨付きをもらったレースだけが使える称号です。

「G」表記を獲得するための厳しい条件

第一に、外国で調教された馬が出走できる「国際競走」として開放されていること。第二に、過去のレースにおける上位4頭のレーティング平均が、G1で115以上、G2で110以上、G3で105以上を満たしていること。そして、性別や馬齢以外の出走制限(生産国や獲得賞金など)を設けないこと、などが求められます。

かつての地方競馬は、検疫施設のインフラが整っていなかったり、外国馬に開放されていなかったりしたため、この「G」を名乗ることができませんでした。

しかし、国内のファンに向けて「このレースは最高峰のG1級ですよ!」と伝えるための分かりやすい指標は絶対に必要です。そこで日本独自の格付けとして誕生したのが「Jpn」という表記なんです。つまり、Jpn1は日本国内における実質的なG1レースである、と理解していただいて全く問題ありません。

競走区分採用表記定義および意味合い該当レースの代表例
国際格付けG1, G2, G3IFHA承認。外国馬に開放され、規定のレーティングを満たす国際競走。東京大賞典 (G1)
日本独自格付けJpn1, Jpn2, Jpn3日本国内でのみ運用。ダートグレード競走として国内の最高峰を形成。ジャパンダートクラシック (Jpn1)

ちなみに、毎年年末に大井競馬場で行われる「東京大賞典」は、地方競馬の中で唯一「G1」の国際格付けを取得している歴史的なレースです。大井競馬場の関係者の方々の、インフラ整備とレベル向上に向けた並々ならぬ努力の結晶と言えますね。

各地区のローカルグレードを完全網羅

全国の地方競馬場をまたにかけて行われるダートグレード競走とは別に、それぞれの主催者が地元ファンに向けて独自に定めているのが「ローカルグレード」です。

なぜこのような独自の格付けが存在するのかというと、「その地域、その競馬場の中で、どのレースが一番権威があって偉いのか」を、ファンへ一目で分かりやすく伝えるためなんですよね。

一般的には、その地区を象徴するアルファベットの頭文字と、数字の1〜3(ローマ数字ではなくアラビア数字が多いのも特徴です)を組み合わせて表記されます。ここでは、各地区が誇る個性豊かなローカルグレードの全貌をご紹介します。

ばんえい競馬(帯広)の「ばんえいグレード(BG)」

世界で唯一、サラブレッドではなく体重1トンを超える巨大な馬たちが、鉄製のそりを引きながら障害物を越える「ばんえい競馬」。「ばんえいグレード」の頭文字をとって、頂点のBG1からBG3までの3段階に格付けされています。

最高峰に君臨する「ばんえい記念(BG1)」は、馬たちが引くそりの重量がなんと最大1トン(通常のレースの約1.5倍)に達する、まさに極限のサバイバルレースです。1着賞金も過去最高の500万円に引き上げられるなど、独自の進化と熱狂を生み出し続けています。他にも、世代の頂点を決める「ばんえいダービー(BG1)」などが設定されています。

ホッカイドウ競馬(門別)の「Hグレード」

競走馬の一大産地である北海道。「Hokkaido」の頭文字である「H」を用いた、H1〜H3の3段階で構成されています。

ホッカイドウ競馬の頂点(H1)

3歳馬の頂点を決める「北海優駿(ダービー)」や、古馬の総決算である名物レース「道営記念」、短距離王決定戦の「道営スプリント」などがH1に指定されています。若駒のレベルが非常に高い地区なので、Hグレードの重賞は将来のスター候補を探す上でも見逃せません。

岩手競馬(盛岡・水沢)の「Mグレード」

盛岡(Morioka)と水沢(Mizusawa)、2つの競馬場を有する岩手競馬では、両方に共通する頭文字をとってM1〜M3の格付けを採用しています。

M1には、東北の3歳王者を決める「東北優駿(岩手ダービー)」や「ダイヤモンドカップ」、そして岩手競馬の年末の風物詩である「桐花賞(とうかしょう)」などが君臨しています。岩手はダートだけでなく芝のレースも行われる珍しい競馬場ですが、ダート重賞の層の厚さもしっかりと体系化されていますよ。

東海地区(笠松・名古屋)の「SPグレード」

愛知の名古屋競馬場と、岐阜の笠松競馬場が形成する東海地区では、おそらく「Super Prestige(スーパープレステージ)」の略と思われるSP1〜SP3の3段階を採用しています。

さらに特徴的なのが、重賞に次ぐ「準重賞」という位置づけのレースに対して、Sを抜いた「P(プレステージ)」という格付けを与えている点です。伝説のアイドルホースの名を冠した「オグリキャップ記念」や「東海ダービー」などが、最高峰のSP1として地元のファンを熱狂させています。

兵庫競馬(園田・姫路)の「重賞I・II」

関西の地方競馬を牽引する兵庫競馬(園田・姫路)は、アルファベットを冠さず、非常にシンプルに「重賞I」および「重賞II」という表記を採用しています。

「兵庫ダービー」や、年末のグランプリである「園田金盃」などが重賞Iに該当します。兵庫競馬が素晴らしいのは、競馬新聞や出馬表で重賞レースを「赤色の背景に白色の文字」で目立たせるなど、ファンへの視認性を徹底的に高める工夫をしてくれている点です。こういうちょっとした心遣い、嬉しいですよね。

独自の格付けを持たない佐賀競馬・金沢競馬

かつては九州地区や北関東地区などにも独自の格付けが存在しましたが、競馬場の再編などに伴い消滅しました。現在、九州の佐賀競馬や北陸の金沢競馬は、アルファベットを用いた独自のグレード表記を行わず、シンプルに「重賞」として扱っています。金沢の「白山大賞典」のようなJpn競走を除き、独自の階層を作らないというのも、その競馬場ごとの個性と言えますね。

賞金水準が高い南関東重賞の特異性

地方競馬の中でも、群を抜いて規模が大きいのが南関東4競馬場(大井・川崎・船橋・浦和)です。

ここで採用されているS1・S2・S3という格付けは、他の地区のローカルグレードとは少々意味合いが異なります。なぜなら、南関東の重賞は賞金水準が桁違いに高く、出走馬のレベルも中央競馬のオープンクラスに匹敵する馬がゴロゴロいるからです。

実のところ、南関東の最高峰である「S1」競走は、他地区で行われるダートグレード競走(Jpn3)と同等か、それ以上のハイレベルなレースになることも珍しくありません。

例えば春のマイル路線なら、「フジノウェーブ記念(S3)」や「川崎マイラーズ(S3)」で実力を磨き、優先出走権を掴んで本番の「京成盃グランドマイラーズ(S1)」へ挑む、といったように、ピラミッド型の美しいレース体系が構築されています。この層の厚さこそが、南関東が「地方競馬のメジャーリーグ」と呼ばれる所以かなと思います。

全日本的なダート三冠路線の体系整備

2024年から2026年にかけて、地方競馬の歴史を塗り替えるような大改革が進行しているのをご存知でしょうか。

それが「全日本的なダート競走の体系整備」です。JRAと地方競馬がガッチリと手を組み、芝路線に負けない魅力的なダートのピラミッドを作ろうという壮大なプロジェクトです。

その目玉となるのが、大井競馬場を舞台とした「3歳ダート三冠」の創設です。これまで南関東のローカルS1だった「羽田盃」と「東京ダービー」がJRA所属馬にも開放され、一気に「Jpn1」へと格上げされました。そして秋には「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」が待ち構えています。

過酷なサバイバル路線

この三冠路線は、単に3つのG1級レースを並べただけではありません。第一関門の羽田盃(1800m)で適性を測り、第二関門の東京ダービー(2000m)で世代の頂点に立ち、秋のジャパンダートクラシック(2000m)で真の王者を決めるという、明確な選別プロセスとして機能しています。

また、この改革に合わせて、地方デビュー馬が頂点を目指すための「ネクストスターシリーズ」が新設されたり、浦和の「さきたま杯」がJpn1に昇格して1着賞金が8000万円になったりと、地方競馬全体のモチベーションとレベルが底上げされる素晴らしい仕組みが整いつつあります。

地方でのリステッド競走の扱い方

最近、中央競馬の番組表で「L(リステッド競走)」という表記をよく見るようになりましたよね。G1〜G3には届かないけれど、それに次ぐレベルの良質なレースを保護するための国際的なルールです。

では、地方競馬におけるリステッド競走はどうなっているのでしょうか。

実は、地方競馬が主催する日々のレースで「リステッド」という言葉が日常的に使われることはほぼありません。しかし、国際基準という厳しいレンズを通してみると、非常に興味深い現象が起きています。

川崎競馬場で行われる「全日本2歳優駿」は、国内最高峰の「Jpn1」に格付けされています。しかし、外国馬に開放された国際競走としての条件を満たしているため、国際統括機関(IFHA)の基準に照らし合わせると、地方競馬で唯一「リステッド競走(L)」として認定されているんです。

「日本ではG1級(Jpn1)なのに、世界から見たらリステッド(L)扱い」というこの二重構造が、ファンを少し戸惑わせる原因になっているのかもしれません。ただ、これも日本競馬が国際基準に合わせて成長していく過渡期ならではの現象と言えますね。

クラス分けから紐解く地方の競馬重賞と格付け

重賞レースの華やかな世界を堪能した後は、日々のレースを支える根幹システム「クラス分け」の世界へ潜ってみましょう。実力が近い馬同士をマッチングさせて、白熱したレースを生み出すための精緻なメカニズム。これを理解すれば、地方競馬の予想力は飛躍的にアップしますよ。

全国統一のクラス区分ABCについて

地方競馬のレースを見るにあたって、まず知っておきたいのが競走馬たちの「クラス分け」の基本構造です。

実は昔の地方競馬って、競馬場ごとにクラスの呼び方や基準が全くバラバラだった時期があるんですよね。地元のファンだけが馬券を買っていた時代ならそれでも良かったんですが、インターネット投票が普及して全国どこからでも気軽に馬券が買えるようになると、「この競馬場のこのクラスって、他の競馬場だとどのレベルに相当するの?」と、ファンが混乱してしまう事態になりました。

そこで、全国の競馬ファンがもっと分かりやすく、直感的にレースを楽しめるようにと、2010年に地方競馬全国協会(NAR)が主導して大きな改革が行われました。これにより、古馬(3歳秋以降、あるいは4歳以上の成長した大人の馬)のクラス分け表記が、全国共通で「A・B・C」の3段階の大区分に統一されたんです。

A・B・Cクラスのピラミッド構造

  • A級(上位約10%):各競馬場を代表するトップエリートたちの集まりです。ここに所属しているだけで名馬と呼べるほどの、本当に一握りの狭き門ですね。
  • B級(中位約20%):確かな実力派が揃う激戦区の中堅クラス。A級への昇格を目指す上り調子の馬や、歴戦の猛者たちがしのぎを削ります。
  • C級(下位約70%):地方競馬の屋台骨を底辺から支える、最も層が厚いクラスです。私たちが日々楽しんでいるレースの大多数は、このC級の馬たちによって構成されています。

この大区分をベースとして、日々のレースを組むためにさらに細かいランク付けが行われます。基本ルールは至ってシンプルですよ。

まず、アルファベットがAに近いほど格上になります。そして、同じアルファベットの中では「数字が小さいほど格上」という法則があります。全体を序列化すると、「A1 > A2 > B1 > B2 > C1 > C2 > C3」という、誰もが理解しやすい綺麗な順番になるわけですね。

さらに細分化される「組」の仕組み

出馬表を見ていると、同じC3クラスなのに「C3一組」とか「C3-1」、「C3五組」といった表記を目にすることがあるかと思います。これは、一番下のクラスはとにかく在籍している馬の数が多すぎるため、同じクラス内でも実力(持っている番組賞金やポイント)に応じて、さらに細かくグループ分けをしているんです。

ここでも「数字が小さいほど強い」という絶対ルールが適用されます。つまり、「C3五組」よりも「C3一組」の方が上のクラス(C2)への昇級に近く、よりハイレベルなメンバーが揃っているということになります。この微細なランク付けを見極めることも、予想を組み立てる上での大事なポイントかなと思います。

このように、ピラミッド型の明確な階級制度が全国で統一されたおかげで、私たちファンは初めて馬券を買う競馬場であっても、「あ、ここはB2クラスのレースだから、中堅どころのしっかりしたレースが見られそうだな」と、瞬時にレースの質を把握できるようになったんです。

昇級や降級に関わる番組賞金とポイント

中央競馬では「1着」になって収得賞金を加算しないと上のクラスには上がれませんが、地方競馬の多くはシステムが異なります。

地方では、1着から5着までに入った時にもらえる賞金の累計額、いわゆる「番組賞金」を基準にしてクラスが決まります。つまり、勝てなくても2着や3着をコツコツ拾い続けていると、いつの間にか強豪ひしめく上のクラスに昇格してしまうことがあるんです。

近年では、賞金額の格差による不平等をなくすため、レースの格や着順に応じて固定のポイントを与える「格付ポイント制」に移行する競馬場が増えています。

競走の格付け1着2着3着4着5着
Jpn15,0001,7501,000500250
Jpn2・S13,1001,085620310155
C115060382315

また、地方競馬には「降級」というシステムが残っています。半年などのタイミングで賞金やポイントが再計算され、成績が振るわない馬は下のクラスへ落ちることができます。これによって、どのレースも実力が拮抗し、面白い勝負が提供され続けるわけですね。

関東と関西の賞金計算ルールの違い

A・B・Cのアルファベット表記は全国統一ですが、「どの馬をどのクラスに入れるか」という賞金の計算基準は、競馬場によって本当にバラバラです。ここが地方競馬の奥深さであり、予想の腕の見せ所でもあります。

例えば関西の兵庫県競馬(園田・姫路)は、いち早く独自のポイント制を導入したことで知られています。A1からC3まで明確なポイントの閾値が決まっており、実況アナウンサーが「エーワン」「シースリー」と英語読みするのも園田ならではの素敵な文化です。

高知や佐賀の厳しい現実(換算率)

特に面白いのが、馬が別の競馬場から移籍してきた時の「換算率」です。

高知競馬では、賞金が高い南関東で稼いだ賞金は50%に割引され、JRAで稼いだ賞金に至ってはなんと30%しか評価されません。

これは意地悪をしているわけではなく、レベルの高い場所で高額賞金を稼いだ馬が、地方の下位クラスに移籍してきた時に、実力に見合わない上のクラスに入れられてボロ負けするのを防ぐための、愛のある調整メカニズムなんです。この「見えないヒエラルキー」を知っておくと、転入初戦の馬の取捨選択が非常に上手になりますよ。

クラス階級別の傾向を馬券予想に応用

さあ、ここまで学んできたクラス分けの知識を、実際の馬券戦略にどう落とし込むか。これが一番ワクワクするところですよね。

過去の統計データを紐解くと、クラスによって「1番人気馬の勝率」にハッキリとした違いが出ることが分かっています。

クラス別の1番人気勝率と狙い方

【A級戦】勝率:約50%
実力の絶対値が高く、多少の不利は自力で跳ね返します。特に南関東のA級はガチガチに堅く収まることが多いので、点数を絞った本命党向けのレースと言えます。

【B級戦】勝率:約40%
能力と展開のバランスが問われる、平均的な荒れ度合いのレースです。展開次第で逆転の余地があります。

【C級戦】勝率:約30%
ここが穴党の主戦場です!みんな「勝ちきれない」からこそC級にいるため、実力はどんぐりの背比べ。ちょっとした枠順の有利不利やスタートの出遅れで、人気薄が平気で突っ込んできます。多頭数のボックス買いなどで高配当を狙うのがセオリーです。

自分が本命党なのか穴党なのかによって、勝負するクラスを選ぶ。これこそが、行動競馬学が推奨する理にかなった立ち回り方かなと思います。

※馬券購入に関する注意事項

ここでご紹介したデータや傾向は、あくまで過去の統計に基づく一般的な目安です。実際のレース結果を保証するものではありません。勝馬投票券の購入は、ご自身の判断と無理のない資金の範囲内で、自己責任においてお楽しみください。制度の詳細な数値や最新のルールについては、必ず各地方競馬の公式サイト等で正確な情報をご確認いただくようお願いいたします。

地方の競馬重賞における格付けがもたらす未来

いかがでしたでしょうか。アルファベットや数字の羅列にしか見えなかった地方競馬の出馬表が、少し違った景色に見えてきたのではないでしょうか。

地方競馬の重賞格付けやクラス分けは、単にレースを分類しているだけではありません。限られた頭数の中で白熱したレースを提供し、馬券の公平性を保ち、そして競走馬の資産価値を正しく評価するための、計算し尽くされたエコシステムなんです。

現在進行中のダート三冠路線の整備によって、地方の枠組みは日本全体の壮大なピラミッドへと繋がり始めています。今後は、日本独自の「Jpn」表記から、国際基準の「G」や「L」表記への完全移行を目指す動きもさらに加速していくはずです。

この複雑で美しいシステムを理解することは、日本競馬が世界有数のダート競馬産業へと進化していく過程を、最前線で目撃することに他なりません。

ぜひ、今回お伝えした知識を武器にして、週末の地方競馬を楽しんでみてください。きっと、今まで以上に立体的で解像度の高い、知的な競馬体験があなたを待っているはずですよ。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

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