競馬の予想において、馬場状態を読むことは非常に大切です。近年、JRAが発表を始めた競馬のクッション値は、予想の精度を上げるための新たな指標として注目されています。しかし、クッション値が高いとどうなるのか、その数字をどう解釈すれば良いのか、具体的な活用法に悩む方も少なくありません。特に、競馬のクッション値が各馬の脚質に与える影響や、過去のクッション値のデータをどのように分析すれば良いのかは、多くのファンが知りたいポイントです。また、東京競馬場のクッション値のように、各競馬場の特性を理解することも欠かせません。当日の東京競馬場の馬場状態速報と合わせて数値をみることで、より深い考察が可能になります。さらに、改修後の京都競馬場のクッション値のように、特別な注意が必要なケースも存在します。この記事では、これらの疑問に答え、クッション値のデータを活用した競馬の予想方法を分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- クッション値の基本的な意味と数値の基準
- クッション値がレース展開や各馬の脚質に与える影響
- JRA公式サイトでのデータ確認方法と時系列で見る重要性
- 競馬場ごとの特性を踏まえた応用的な予想への活用術
競馬 クッション値の基礎知識と見方
- クッション値 高いとどうなるかを解説
- 競馬 クッション値 脚質に与える影響
- 正確なクッション値 データの入手方法
- 東京競馬場 馬場状態 速報と合わせて確認

クッション値 高いとどうなるかを解説
クッション値が高い状態とは、結論から言えば、芝の馬場が硬く締まっていることを示します。この硬い馬場は競走馬のパフォーマンスやレース展開そのものに決定的な影響を与えるため、その性質を正確に理解することが予想の第一歩となります。一般的に「高速馬場」や、競馬ファンが使う言葉で「パンパンの良馬場」と呼ばれるのが、まさにこの状態です。
スピードが出やすくなる物理的な理由
では、なぜ馬場が硬いとスピードが出やすくなるのでしょうか。その理由は、地面からの反発力、すなわちエネルギーリターンの効率が向上するからです。競走馬が地面を蹴り出す際、軟らかい馬場ではそのエネルギーの一部が地面に吸収されてしまいます。一方で、クッション値が高い硬い馬場では、馬の脚の沈み込みが少なく、地面を蹴った力が効率よく推進力に変換されます。つまり、馬はより少ないエネルギーでスピードを維持し、加速することが可能になるのです。このため、レース全体の走破時計は顕著に速くなる傾向にあり、時にはレコードタイムが記録されることもあります。
レース展開への具体的な影響
このように、スピードが出やすい馬場コンディションは、レース展開を大きく左右します。最も恩恵を受けるのが、レース序盤から前方のポジションを取る「逃げ・先行馬」です。硬い馬場ではスタミナの消耗が抑えられるため、これらの馬は自身の得意なペースで楽にレースを進めることができます。 さらに、後続の馬たちもバテにくいため、一度前方の馬にリードを築かれると、その差を詰めるのが非常に困難になります。これが、競馬でよく言われる「前が止まらない」展開の典型的なメカニズムです。したがって、クッション値が高い日には、スピード能力に秀でた逃げ・先行馬を高く評価するのが基本戦略となります。
注意すべきデメリットとリスク
ただし、クッション値が高いことが全ての馬にとってプラスに働くわけではありません。いくつかの重要な注意点とリスクも存在します。 第一に、馬の身体への負担が増大することです。硬い地面を高速で走ることは、競走馬の脚元に強い衝撃を与えます。これは人間がコンクリートの上を全力疾走するようなもので、特に脚部に不安を抱えている馬や、骨格がまだ固まっていない若馬にとっては故障のリスクを高める要因になり得ます。 第二に、「クッション値の高さ」と「時計の速さ」が必ずしも絶対的な比例関係にあるわけではない点です。クッション値はあくまで地面の垂直方向の硬さを示す指標に過ぎません。芝の長さや粘り気、当日の風向き、レースのペースといった他の多くの要因も走破時計に影響を与えます。そのため、「数値が高いから必ず速い時計が出る」と短絡的に判断するのではなく、あくまで馬場状態を判断する有力な一材料として捉える視点が大切です。
競馬 クッション値 脚質に与える影響
クッション値は、レースにおける脚質ごとの有利不利を判断する上で、非常に有効な指標となります。馬場の硬さが変わることで、競走馬に求められる能力の質が根本的に変化するためです。
クッション値が高い(硬い)馬場
前述の通り、クッション値が高い硬い馬場では、地面からの反発が強く、エネルギーロスが少ないためスピードを維持しやすくなります。このような馬場では、レース序盤から良い位置につけ、そのまま押し切る「逃げ・先行馬」が圧倒的に有利です。スタミナの消耗が少ないため、後方から追いかける馬が差を詰めるのは困難になります。「前が止まらない」と表現されるレースは、まさにこの典型例です。
クッション値が低い(軟らかい)馬場
一方、クッション値が低い軟らかい馬場は、馬の蹄が深く沈み込み、着地のたびに推進エネルギーが地面に吸収されてしまいます。これは競走馬にとって体力を大きく消耗する、いわゆる「タフな馬場」です。序盤からペースを上げて先行した馬は、終盤でスタミナ切れを起こしやすくなります。
この状況は、後方でじっくりと脚を溜めていた「差し・追込馬」にとって絶好の展開となります。先行勢が苦しくなる最後の直線で、温存していた末脚を爆発させて一気に抜き去るシーンが多く見られます。スピード能力よりも、パワーやスタミナといった資質が勝敗を分ける重要な要素となるのです。
このように、クッション値を確認することで、その日のレースがどのような脚質の馬に向いているのかを大まかに予測することが可能になります。

正確なクッション値 データの入手方法
予想の精度を左右するクッション値だからこそ、その数値は憶測や非公式な情報ではなく、必ずJRAが発表する一次情報を基に判断することが極めて重要です。ここでは、その信頼できるデータの入手方法から、一歩進んだデータの読み解き方までを具体的に解説します。
JRA公式サイトが唯一の公式情報源
クッション値に関する最も正確で信頼性の高いデータは、JRA(日本中央競馬会)の公式ウェブサイトでのみ公表されています。他のウェブサイトやメディアが引用している場合もありますが、必ず大元となる公式サイトで自身の目で確認する習慣をつけましょう。
具体的なアクセス手順は以下の通りです。
- JRA公式サイトへアクセス PCまたはスマートフォンのブラウザでJRAのトップページを開きます。
- 「出馬表・成績・オッズ」へ進む トップページにある主要メニューから「出馬表・成績・オッズ」を選択します。
- 該当の競馬場と「馬場情報」を選択 開催されている競馬場一覧から、情報を知りたい競馬場を選びます。その後、ページ内にある「馬場情報」というリンクまたはタブをクリックします。
この「馬場情報」ページに、当日のクッション値が芝の含水率やJRAによる馬場状態のコメントなどと共に掲載されています。
発表タイミングから馬場の「動向」を読む
クッション値の分析で特に重要なのは、静的な数値をただ見るだけでなく、その「変化」を読むことです。データは通常、以下の2つのタイミングで更新されます。
- 開催前日(主に金曜日)の昼過ぎ これは週末の馬場コンディションの「予告編」とも言える数値です。週中の馬場管理作業(エアレーションなど)や天候を反映した初期状態を示しており、週末の馬場傾向を大まかに予測するためのベースラインとなります。
- 開催当日の朝9時30分頃 こちらがレース当日の「確定報」です。夜間の降雨や乾燥、あるいはJRAによる散水作業など、開催直前のあらゆる変動が反映された最も重要な数値と言えます。
この2つの数値を比較することで、馬場がどちらの方向に向かっているのか、その動的なトレンドを掴むことができます。
- 数値が低下した場合(例:金曜9.8 → 土曜朝9.4) 夜間に雨が降ったか、散水が行われた可能性が高いです。馬場が湿り気を帯び、想定よりもタフなコンディションになっていると考えられ、差し馬への警戒が必要になります。
- 数値が上昇した場合(例:金曜9.5 → 土曜朝9.8) 晴天と乾燥した空気により、馬場の水分が抜けて硬化していることを示唆します。先行有利の高速馬場がさらに進行すると予測できます。
データの制約と、それを乗り越えるための工夫
一方で、クッション値のデータ活用には大きな制約もあります。2025年9月現在、JRAは過去のレース結果とクッション値を紐付けた公式のデータベースを一般に提供していません。また、JRA-VANのような主要な競馬データサービスにも、クッション値は含まれていないのが現状です。
これは、大規模な統計分析を行う上で大きな障壁となります。この課題を乗り越えるための一つの有効な手段が、スプレッドシート(ExcelやGoogleスプレッドシートなど)を用いて「自分だけのデータベース」を作成することです。 日付、競馬場、天候、クッション値、含水率、そしてその日のレース結果の傾向(例:逃げ・先行馬の勝利数)などを地道に記録し続けることで、他のファンが持っていない独自の知見やパターンを発見できる可能性があります。これは手間のかかる作業ですが、本気で予想精度を高めたいのであれば、非常に価値のある投資となるでしょう。
東京競馬場 馬場状態 速報と合わせて確認
クッション値は非常に有用な指標ですが、その数値だけを単独で見て予想を組み立てるのは避けるべきです。クッション値はあくまで馬場状態を構成する一要素であり、他の情報と組み合わせることで初めてその真価を発揮します。
特に重要なのが、当日の「馬場状態速報」や「含水率」、そして「天気予報」との比較です。
例えば、クッション値の数値が標準的であっても、JRAが発表する馬場状態速報で「内側が荒れてきた」というコメントがあれば、外を回る差し馬に有利な状況が生まれつつあると判断できます。
また、含水率との関係も興味深い洞察を与えてくれます。含水率が高いにもかかわらずクッション値も比較的高い場合、それは芝の根が非常に密に張っており、馬場全体のコンディションが良好である可能性を示唆します。
さらに、レース当日の天気予報は不可欠な情報です。朝の時点でクッション値が高くても、午後から降雨が予報されていれば、メインレースが行われる頃には馬場が軟らかくなっている可能性を考慮しなければなりません。逆に、晴天で乾燥した風が吹く予報であれば、レースが進むにつれてさらに馬場が硬化し、高速化していくと予測できます。
このように、東京競馬場に限らず、クッション値を見る際は必ず他の馬場情報と天気予報をセットで確認し、総合的な分析フレームワークの中で馬場の全体像を捉える視点が求められます。
競馬 クッション値を予想に活かす応用術
- 競馬 クッション値 予想への組み込み方
- クッション値 過去の傾向を分析するコツ
- 東京競馬場 クッション値の読み解き方
- 京都競馬場 クッション値の特異な傾向
- まとめ:競馬 クッション値で予想精度向上

競馬 クッション値 予想への組み込み方
クッション値というデータを手に入れただけでは、予想の精度を飛躍させることは難しいでしょう。大切なのは、その数値を単なる情報としてではなく、自身の予想ロジックに体系的に組み込むことです。ここでは、曖昧な感覚を排し、データに基づいた結論を導き出すための具体的な思考プロセスを3つのステップで解説します。
ステップ1:総合的な「馬場プロファイル」を定義する
まず最初に行うのは、クッション値を含む複数の情報源から、その日の「馬場がどのような状態にあるのか」という全体像、すなわち「馬場プロファイル」を明確に定義することです。
前述の通り、JRA公式サイトで金曜日と当日朝のクッション値を確認し、数値の絶対値とその「変化のトレンド」(上昇傾向か、下降傾向か)を把握します。しかし、ここで分析を終えてはいけません。次に、含水率や天気予報、JRAから発表される馬場状態の公式コメントといった情報を収集します。
以上の情報を統合し、その日のレースにおける「馬場バイアス」に関する具体的な仮説を立てます。例えば、以下のような形です。
- 仮説A(高速馬場): 「今日の東京芝はクッション値9.8で硬め、かつ乾燥傾向。内外フラットな高速馬場であり、スピードの持続力が問われる前残り想定」
- 仮説B(タフな馬場): 「今日の阪神芝はクッション値8.5で稍タフ。金曜から数値が低下しており、内が荒れ気味。パワーとスタミナが要求される差し馬場想定」
このように、単に「硬い」「軟らかい」で終わらせず、どのような能力が求められる馬場なのかを言語化することが、次のステップへの重要な橋渡しとなります。
ステップ2:定義した馬場プロファイルと出走馬の適性を照合する
馬場のプロファイルを定義できたら、次はその物差しを使って、各出走馬の適性を評価していきます。評価すべき項目は主に以下の3つです。
- 脚質との整合性 これが最も直接的な評価項目です。ステップ1で立てた仮説A「前残り想定」であれば、当然ながら「逃げ・先行馬」の評価が上がります。逆に仮説B「差し馬場想定」であれば、後方で脚を溜める「差し・追込馬」の中から軸馬を探すのがセオリーです。
- 血統的な背景 競走馬の能力は、その血統に大きく影響されます。 例えば、仮説Aのようなスピードの持続力が問われる高速馬場では、ロードカナロア産駒やキズナ産駒のように、優れたスピード能力を伝える種牡馬の産駒がフィットしやすいと考えられます。 一方で、仮説Bのようなパワーとスタミナが要求されるタフな馬場では、ハーツクライ産駒や、モーリス、エピファネイアに代表されるロベルト系の血を持つ馬の評価が上がります。
- 過去のレース実績 血統はあくまで傾向であり、最終的には個々の馬がどのような馬場で好走してきたかという実績が重要です。出馬表を見る際は、単に「良馬場」や「重馬場」という記載だけでなく、そのレースが行われた日のクッション値(もし記録があれば)や、時計の速さまで確認できると、より精度の高い適性判断が可能になります。高速決着での勝利経験があるのか、それとも時計のかかる消耗戦で強さを見せてきたのかを丁寧に見極めます。
ステップ3:最終的な評価と馬券戦略の決定
最後に、ステップ2で行った適性評価を基に、各馬の序列を決定し、具体的な馬券戦略へと落とし込みます。
ステップ1で定義した馬場プロファイルに、脚質、血統、過去の実績という3つの観点から最も合致する馬が、その日の本命馬(◎)の最右翼となります。例えば、「仮説A(高速・前残り)の馬場」において、「先行力のあるロードカナロア産駒」で、なおかつ「高速馬場での勝利実績を持つ馬」がいれば、それは絶好の狙い目と判断できるわけです。
このように、感覚や印象に頼るのではなく、「データ収集 → 仮説構築 → 適性評価」という一連の論理的なプロセスを経ることで、クッション値は初めて強力な予想の武器となります。この思考法を繰り返すことで、再現性の高い、安定した予想を組み立てることが可能になるでしょう。
クッション値 過去の傾向を分析するコツ
クッション値の分析をさらに一歩深めるためには、目先の数値だけでなく、過去のデータから大きな傾向を読み解く視点が不可欠です。その際に最も重要となるのが、「絶対値」ではなく「相対値」で物事を捉える思考法、すなわち「相対的価値の原則」です。
なぜ「相対的価値」で見る必要があるのか
この原則は、クッション値の絶対的な数値そのものよりも、「その競馬場における平常時の数値と比較して、高いのか低いのか」を判断することが極めて重要である、という考え方です。 例えば、気温20℃という数値を考えてみてください。真冬の北海道で20℃であれば非常に暖かいと感じますが、真夏の沖縄で20℃であれば肌寒く感じるはずです。同じ「20℃」でも、置かれた環境や文脈によってその意味が全く異なるように、クッション値も同様です。例えば、東京競馬場で観測される「10.0」と、改修後の京都競馬場で観測される「10.0」とでは、馬場状態に対する意味合いが全く異なります。
この違いが生まれる理由は、各競馬場がそれぞれ固有の「指紋」とも言えるプロファイルを持っているからです。このプロファイルを形成する主な要因には、使用されている芝の種類や、その地域の気候風土があります。
競馬場ごとの「指紋」を把握する
過去の傾向を分析する第一歩は、主要な競馬場がどのようなクッション値の範囲で推移しやすいのか、その標準的なレンジを把握することです。以下に、主要競馬場の典型的なクッション値の傾向をまとめます。
| 競馬場 | 芝の種類 | 典型的なクッション値範囲 | 特徴・分析上の注意点 |
| 東京・阪神 | 野芝 | 8.5 – 10.0 | JRAの基幹競馬場。非常に質の高い馬場管理がされており、標準的な範囲で推移することが多い。10.0を超えることは稀。 |
| 中山 | 野芝 | 9.0 – 10.5 | 高低差のあるタフなコース。冬の乾燥した時期には数値が上がりやすく、スピードとパワーの両方が要求される。 |
| 京都 (改修後) | 野芝 | 9.5 – 11.5 | 路盤改修により、非常に高い数値が出やすい傾向にある。11.0超えも珍しくないが、必ずしも超高速馬場を意味するわけではない点に注意が必要。 |
| 札幌・函館 | 洋芝 | 7.0 – 8.5 | 100%洋芝のため、構造的に馬場が軟らかく、クッション値は本州の競馬場より低く出るのが標準。7.7といった数値でも、そのコースの良馬場状態を示していることが多い。 |
このように、まずは各競馬場の基準となる数値感を自分の中に持つことが大切です。前述の通り、JRAは公式のデータベースを提供していませんが、自身でデータを記録し続けることで、「中山なら10.0を超えるとかなり硬い」「札幌なら8.0あれば硬い方だ」といった、データに裏打ちされた肌感覚を養うことができます。
季節ごとのマクロな変動を織り込む
競馬場のプロファイルに加えて、季節による変動というマクロな視点を持つことも、傾向分析の精度を高めます。
- 冬期(12月~2月) 空気が乾燥し、降雨量が少ないため、馬場の水分が抜けやすくなります。芝の生育も止まるため、一年で最もクッション値が上がりやすい、硬い馬場になりやすい季節です。
- 夏期(6月~8月) 梅雨や台風による降雨が多く、湿度も高いため、馬場は水分を含みやすくなります。このため、クッション値は低下し、軟らかくタフな馬場になりやすい季節です。
- 春・秋 気候が安定している一方で、周期的に雨が降るため、クッション値は開催ごとに変動しやすくなります。週中の天候の変化を注意深く追うことが重要です。
このように、「競馬場ごとの特性」という空間的な視点と、「季節ごとの変動」という時間的な視点を掛け合わせることで、目の前の一つの数値を多角的かつ立体的に解釈できるようになります。これが、クッション値の過去データを分析する上での最も重要なコツと言えるでしょう。

東京競馬場 クッション値の読み解き方
日本ダービーやジャパンカップなど、数々のビッグレースの舞台となる東京競馬場は、日本の競馬場を代表するコースです。そのクッション値を読み解くには、いくつかの特有のポイントがあります。
まず、東京競馬場は高品質な野芝で管理されており、クッション値が10.0を超えることは極めて稀です。そのため、ここで記録される「9.5」といった数値は、他の競馬場における「10.0」以上に相当する高速馬場を示唆している場合があります。数値の絶対値以上に、馬場が軽くなっている可能性を常に考慮する必要があります。
また、広大なコースと約525.9メートルに及ぶ長い直線が特徴です。このコースレイアウトと、芝由来の高い反発力が組み合わさることで、出走馬には持続的なトップスピード能力が厳しく問われます。中途半端なスピードでは、長い直線で後続に交わされてしまいます。
JRAの管理技術も高く、内外で有利不利の差が出にくい、フラットな馬場コンディションが維持されることが多いのも特徴の一つです。そのため、東京競馬場のクッション値を分析する際は、数値から馬場の速さを推測し、どの馬がこのコースで求められる持続的なスピード能力を持っているかを見極めることが鍵となります。
京都競馬場 クッション値の特異な傾向
京都競馬場は、2023年に大規模な改修工事を終えてリニューアルオープンしました。この改修によって、馬場の特性、特にクッション値の傾向が大きく変化したため、予想する上で特別な注意が必要です。
改修後の京都競馬場の最大の特徴は、路盤が非常に安定し、クッション値が極めて高い数値を頻繁に記録するようになった点です。改修前には滅多に見られなかった「10.8」「11.2」、さらには「11.3」といった数値が観測されることも珍しくありません。
ここで陥りがちなのが、「これだけ数値が高いのだから、超高速の馬場に違いない」という短絡的な思考です。しかし、専門家の見解によれば、これらの高い数値が必ずしも以前のような極端な高速馬場を意味するわけではなく、「馬場は締まっているが、時計の速さは標準的な範囲」と評価されることもあるようです。
この乖離が生じる理由は、路盤の構造や芝の状態が複雑に影響していると考えられますが、予想する側としては「京都競馬場の高いクッション値は、他の競馬場の同じ数値とは意味が異なる可能性がある」という点を強く認識しておく必要があります。この新しい京都競馬場の特性を正確に把握し、過去のデータや常識にとらわれずに馬場を評価することが、現代の京都競馬場を攻略する上での鍵と言えるでしょう。
まとめ:競馬 クッション値で予想精度向上
- クッション値は芝コースの硬さを示す客観的な数値
- 数値が高いほど硬く、低いほど軟らかい馬場を意味する
- 高い馬場は時計が速くなり、逃げ・先行馬が有利になる傾向
- 低い馬場は時計がかかり、差し・追込馬が有利になる傾向
- データはJRA公式サイトの馬場情報で確認可能
- 発表は開催前日と当日朝の2回
- 単一の数値でなく、金曜日から当日への変化を見ることが大切
- クッション値単体ではなく、含水率や天気予報と合わせて総合的に判断する
- 予想への組み込みは「データ収集→仮説構築→出走馬評価」のプロセスが有効
- 過去の傾向分析では「相対的価値の原則」を意識する
- 各競馬場には固有のクッション値の範囲が存在する
- 東京競馬場は10.0を超えることが稀で、数値以上に高速化しやすい
- 京都競馬場は改修後に非常に高い数値が出るが、超高速馬場とは限らない
- クッション値は馬場状態を深く理解するための強力なツール
- データを正しく解釈し、予想の武器として活用することで的中への道が開ける
